「未経験エンジニア 増えすぎ」って検索する気持ち、すごく分かります!私も採用の現場で、その変化を肌で感じていますから。IT業界を目指す人が増えるのは良いことだけど、本当に自分に合った道なのか、企業が求めるスキルと自分のスキルが合っているのか、不安になりますよね。でも大丈夫!15年以上、2500人以上のキャリア相談に乗ってきた経験から、未経験エンジニアが増えた背景、企業が求める人材、そしてあなたがどうすれば活躍できるのか、徹底的に解説します。この記事を読めば、未経験からエンジニアとして成功するための道筋がきっと見えてきますよ!
未経験エンジニア増加の背景
最近、「未経験からエンジニアを目指す人が増えているな」と、私自身も肌で感じています。キャリア相談にいらっしゃる方の中にも、異業種からのキャリアチェンジを希望される方が本当に多いんです。なぜこんなにもエンジニアを目指す人が増えているのでしょうか?そこには、社会や技術の大きな変化が深く関わっています。私がこれまで2500人以上のキャリアをご支援してきた経験から見ても、今のIT業界を取り巻く環境は、未経験の方にもチャンスが広がっていると言えるでしょう。この背景を知ることは、これからのキャリアを考える上でとても大切になりますよ。
社会全体のデジタル化の波
今の社会は、まさにデジタル化の真っ只中ですよね。企業も個人も、あらゆる場面でIT技術を使っています。
DX推進による需要拡大
多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させています。ビジネスをより効率的に、より顧客視点で変革するために、ITシステムの刷新や新しいサービス開発が急務になっているんです。これにより、ITエンジニアの需要はかつてないほど高まっています。特に、新しい技術に対応できる人材が求められているんですよ。
リモートワーク普及がもたらす変化
コロナ禍を経て、リモートワークが一気に普及しました。これにより、働く場所の制約が少なくなり、地方に住んでいても都心の企業の仕事ができるなど、労働市場が活性化しています。企業側も、全国から優秀な人材を探せるようになった一方で、優秀なエンジニアの獲得競争は激化している状況です。
エンジニア育成環境の変化
エンジニアになるための学習環境も、昔とは比べ物にならないほど多様化・進化しています。
プログラミングスクールの多様化
未経験者を対象としたプログラミングスクールが本当にたくさん登場しました。オンライン、オフライン、短期間集中型など、自分の学習スタイルや目的に合わせて選べる選択肢が増えています。体系的に学べるため、挫折しにくくなったのも大きいでしょう。
オンライン学習による学習ハードルの低下
インターネット上には、無料・有料問わず、質の高い学習コンテンツが溢れています。動画を見たり、実際にコードを書きながら学んだり、自分のペースで学習を進められますよね。これにより、時間や場所を選ばずに、誰でも気軽にプログラミング学習を始められるようになりました。
企業が求める未経験エンジニア
未経験エンジニアが増えている一方で、「じゃあ、企業はどんな未経験者を採用したいんだろう?」と疑問に思いますよね。ただプログラミングを少し書けるだけでは、なかなか難しいのが現実かもしれません。採用担当者は、スキルはもちろんですが、それ以外の部分もとても重視しているんです。私のキャリア支援経験から、企業が未経験の方に期待するポイントをいくつかご紹介します。
必須となる基礎スキル
やはり、エンジニアとして働く上で最低限必要なITの知識やスキルはあります。これは避けて通れない道ですね。
特定のプログラミング言語の基本
もちろん、いきなり高度な技術は求められません。しかし、企業が使う主要なプログラミング言語(例えばJava, Python, Ruby, JavaScriptなど)のうち、一つでも基本的な文法を理解し、簡単なプログラムが書けるレベルは必要とされることが多いです。学習意欲を示すためにも、何らかの言語に触れておくことは重要ですね。
ITインフラの基礎知識
Webサービスがどのように動いているのか、サーバーやネットワーク、データベースといったITインフラの仕組みについて、大まかにでも理解していると有利です。専門用語に抵抗がないことや、ITの全体像を掴もうとする姿勢は高く評価されます。
実践力と応用力
学校の勉強とは違い、実際の開発現場では「知っている」だけでなく「使える」ことが重要視されます。
ポートフォリオで示す開発経験
自分で何かアプリケーションやWebサイトを作ってみた経験は、何よりも説得力のあるアピール材料になります。「どんなものを作ったか」「なぜそれを作ったか」「作る過程でどんな課題にぶつかり、どう解決したか」を説明できるようにしておくと、企業はあなたの実践力や問題解決能力を見ることができます。
問題解決へのアプローチ能力
エラーが発生したり、仕様通りに動かない時に、どうやって原因を探し、どう解決策を見つけ出すか。この問題解決能力は、エンジニアにとって非常に重要です。スクールや独学での学習中に直面した困難と、それをどう乗り越えたのかを具体的に語れると良いですね。
変化への対応力と学習意欲
ITの世界は常に新しい技術が登場し、目まぐるしく変化しています。この変化にどれだけ対応できるか、学び続ける意欲があるかが問われます。
新しい技術へのキャッチアップ
クラウド(AWS, Azure, GCPなど)やコンテナ(Docker, Kubernetes)といった新しい技術がどんどん普及しています。こうした最新技術に興味を持ち、自分で調べて触ってみるなど、キャッチアップしようとする姿勢は企業が求める大きな要素です。未経験だからこそ、新しい分野への抵抗のなさや柔軟性が期待されることもあります。
アジャイル開発への適応性
多くの開発現場でアジャイル開発が採用されています。これは、変化に柔軟に対応しながら、短いサイクルで開発を進める手法です。計画通りに進めるだけでなく、状況に応じてやり方を変えたり、チームと密に連携したりする能力が求められます。
ビジネスパーソンとしての能力
意外に思われるかもしれませんが、技術力と同じくらい、あるいはそれ以上に重視されるのが、ビジネスパーソンとしての基礎的な能力です。
コミュニケーションとチームワーク
エンジニアの仕事は、一人で黙々とコードを書くだけではありません。プロジェクトメンバーや他部署の人と連携し、意見を交換しながら進めることが不可欠です。自分の考えを分かりやすく伝えたり、相手の意見をしっかり聞いたりするコミュニケーション能力は、チームで働く上で非常に重要です。
ビジネス視点での提案力
言われたことだけをやるのではなく、「どうすればもっとユーザーに使ってもらえるか」「どうすれば業務効率が上がるか」など、ビジネス全体を理解し、より良いものにするために自ら考え、提案できる力も求められ始めています。特にDX推進においては、このビジネス視点が非常に重要になりますね。

未経験エンジニアが増えている背景と現状
こんにちは、キャリアアドバイザーの「私」です。最近、未経験からエンジニアを目指す方が本当に増えましたよね。私がこの業界で長くキャリア支援をしてきた中で、ここまで顕著な変化は初めてかもしれません。SNSやWebでも「未経験からエンジニア転職成功!」といった投稿をよく目にします。
この流れを見て、「未経験でもいけるんだ!」と希望を持つ方がいる一方で、「こんなに増えて競争が激しくなったら、もう無理かも…」と不安を感じる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。実際、相談に来られる方の中にも、この「未経験 エンジニア 増えすぎ」という状況をどう捉えたらいいか迷っている方が多いんです。
でも、安心してください。なぜ未経験エンジニアが増えているのか、その背景をしっかり理解すれば、取るべき行動も見えてきます。闇雲に不安がるのではなく、まずは市場で何が起きているのか、一緒に見ていきましょう。
なぜ今、未経験者が増えているのか
未経験からエンジニアを目指す人が急増しているのには、いくつかの明確な理由があります。これは一時的なブームではなく、社会全体の構造変化が大きく影響しているんです。特に大きな要因となっているのが、企業のDX推進とリモートワークの普及ですね。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速
今、多くの企業がビジネスのやり方をデジタルで根本的に変えようとしています。これをDXと呼びますが、この取り組みには圧倒的にIT人材、特にエンジニアが不可欠なんです。新しいシステム開発、既存システムの刷新、データ活用など、ITの力がなければ前に進めません。
このDXの波は、一部の先進的な企業だけでなく、あらゆる業界、あらゆる規模の企業に広がっています。その結果、慢性的なエンジニア不足がさらに深刻化し、経験者だけではとても需要を満たせない状況になっているんです。だからこそ、企業は未経験者にも目を向けざるを得なくなってきています。
リモートワークの普及と柔軟な働き方
リモートワークが当たり前になったことも、未経験からの転職を後押ししています。以前は特定のIT企業が集まる都心部に住んでいないとエンジニアとして働くのが難しかったり、働く時間や場所に制約があったりしました。
でも、リモートワークなら地方に住んでいても、子育てや介護と両立しながらでも、エンジニアとして働く道が開けます。この働き方の柔軟性が、これまでIT業界とは縁がなかった多様なバックグラウンドを持つ人々が、エンジニアという職種に興味を持つきっかけになったんです。働く場所や時間を選べる魅力は大きいですよね。
市場の変化と競争の激化
未経験者が増えたことで、市場の状況も変化しています。特に目立つのが、プログラミングスクールの影響と、企業側の採用スタンスの変化ですね。競争は確かに激しくなっていますが、その質も変わってきているんです。
プログラミングスクールの影響
未経験者が手軽にプログラミングの基礎を学べるようになった最大の要因は、プログラミングスクールの普及です。オンライン、オフライン問わず、様々な価格帯、カリキュラムのスクールが登場し、多くの人が学習の第一歩を踏み出しやすくなりました。
スクールで基礎を学んだ人が一気に増えたことで、転職市場には「プログラミングの『プロの入り口』には立った」というレベルの応募者が増えました。これは企業にとっても、全くのゼロから教えるよりは教育コストが抑えられるというメリットがあります。一方で、基礎スキルだけでは他との差別化が難しくなっている側面もありますね。
ポテンシャル採用の広がり
エンジニア不足を補うために、企業側も採用スタンスを見直しています。これまでは即戦力となる経験者採用が中心でしたが、最近は「ポテンシャル採用」を積極的に行う企業が増えてきました。これは、現時点でのスキルよりも、将来的に伸びる可能性や学習意欲、人柄などを重視する採用です。
特に、新しい技術や変化への適応力が求められる現代では、経験者でも学び続ける姿勢が不可欠です。それなら、未経験でも学ぶ意欲が高く、素直に新しい知識を吸収できる人材を育てていこう、という考え方が広まっているんです。企業が「育てる」ことへの投資を厭わなくなってきているのは、未経験者にとっては追い風と言えるでしょう。
企業が未経験者に求める「変化」とは
未経験エンジニアが増えているという現状がある中で、企業が未経験者に対して何を求めているのか、その基準も変化しています。以前のように「プログラミングができること」だけで採用が決まる時代ではありません。では、企業は未経験者のどんな点を見ているのでしょうか。
私が採用の現場や企業側と話していて感じるのは、単なる技術スキルだけでなく、もっと根源的な能力や姿勢が重視されるようになってきたということです。特に、変化の速いIT業界で長く活躍できる人材を見極めようとしています。
不安を感じる方もいるかもしれませんが、これは裏を返せば、しっかり準備をして臨めば、経験の有無に関わらず評価されるポイントがあるということです。私が多くの求職者の方を支援する中で、特に企業が注目していると感じる「変化」についてお話ししましょう。
スキルだけじゃない?重視される能力
プログラミングの基礎知識はもちろん必要ですが、それだけで十分とは言えません。企業は、未経験者が入社してから、そして長期的に活躍するために必要な、もっと普遍的な能力を見極めようとしています。
自律的な学習力と問題解決能力
IT技術は常に進化しています。今日学んだ技術が、数年後には古くなっているなんてことはザラにあります。だからこそ、企業は「自分で学び続けられるか」「壁にぶつかったときに、自分で調べて解決しようと粘り強く取り組めるか」といった自律的な学習力と問題解決能力を非常に重視しています。
面接で「どうやって〇〇を学びましたか?」「〇〇で詰まったとき、どう乗り越えましたか?」といった質問をされるのは、まさにこの能力を見たいからなんです。スクールに通った経験よりも、スクール卒業後に自分でどんな学習をしているか、エラーにどう向き合っているか、といった点の方が評価されることも多いですね。
コミュニケーション能力とチームワーク
エンジニアの仕事は、一人で黙々とコードを書くだけではありません。チームで協力して一つのシステムを作り上げることがほとんどです。仕様を理解したり、自分の書いたコードの説明をしたり、他のメンバーと意見交換をしたりと、コミュニケーションは欠かせません。
特に未経験の場合、最初は分からないことだらけです。その時に、適切に質問したり、助けを求めたりできるかどうかも重要になります。企業は、チームの一員として円滑に仕事を進められるか、周りと協力してより良いものを作ろうとする姿勢があるか、といった点をしっかり見ています。
採用基準や選考プロセスのリアル
未経験者採用の選考プロセスも、ただ知識があるか確認するだけではなくなっています。企業は様々な手法を使って、応募者のポテンシャルや適性を見極めようとしています。
ポートフォリオや学習履歴の重要性
プログラミングスクールで学んだだけでは、差別化が難しい時代です。そこで重要になるのが、自分で考えて作り上げたポートフォリオや、スクール外での自主的な学習履歴です。どんなものを作ったのか、なぜそれを作ろうと思ったのか、作る過程でどんな工夫をしたのか、といったストーリーが大切になります。
GitHubなどで学習の過程を公開したり、技術ブログを書いたりするのも非常に効果的です。企業はそこから、応募者の学習意欲、課題発見能力、そして何より「エンジニアになりたい」という本気度を感じ取ろうとしています。私の経験でも、ポートフォリオの質が選考を大きく左右するケースは多々あります。
カルチャーマッチや適性の見極め
企業は、スキルや知識だけでなく、自社の文化やチームの雰囲気に合うか(カルチャーマッチ)、そしてエンジニアという職種への適性があるかどうかも重視しています。論理的思考力、物事を構造的に捉える力、新しい技術への好奇心などは、未経験でも見極められる適性の一つです。
面接では、単に技術的な質問だけでなく、これまでの経験や考え方に関する質問が多くなる傾向があります。「なぜエンジニアになりたいのか」「当社で何をしたいのか」「これまでの経験で大変だったこと、どう乗り越えたか」といった質問を通して、応募者の内面やポテンシャルを見ようとしています。飾らず、自分の言葉で話すことが大切ですよ。
未経験から活躍できる職種
未経験からエンジニアを目指す方が増えているのは事実ですが、全てのエンジニア職が同じように門戸が開かれているわけではありません。技術分野や役割によって、未経験者が比較的挑戦しやすい職種と、専門性が高く経験が求められる職種があります。
私がキャリア相談を受ける際にも、「結局、未経験でも入りやすい職種って何ですか?」とよく聞かれます。正直なところ、「これさえ目指せば絶対大丈夫」という魔法のような職種はありません。ただ、未経験者が活躍しやすい環境が整っていたり、学習曲線が比較的緩やかだったりする入り口は確かに存在します。
そして、単に「入りやすい」だけでなく、その後のキャリアパスや成長性も考慮して、最初のキャリアを選ぶことが大切です。私が多くの事例を見てきて、未経験からでも着実にスキルを身につけ、活躍の幅を広げている方が多いと感じる職種や分野をご紹介しますね。
入り口としておすすめのエンジニア職
最初は、専門性が限定的だったり、チームでの協調性や基本的なIT知識が重視されたりする職種から入るのがおすすめです。そこから実務経験を積みながら、より専門性の高い分野へステップアップしていく道筋が考えられます。
インフラエンジニア(クラウド領域など)
システムを動かす基盤となるサーバー、ネットワーク、データベースなどを構築・運用するインフラエンジニアは、未経験でも比較的挑戦しやすい領域の一つです。特に最近は、クラウド(AWS、Azure、GCPなど)の需要が爆発的に高まっており、新しい技術なので経験者が少なく、未経験者でも教育前提で採用する企業が増えています。
クラウドは学習環境を構築しやすく、資格取得に向けた勉強もしやすいので、体系的に知識を身につけやすいのも特徴です。プログラミングのようにゼロから何かを作り出すよりは、既存のサービスを組み合わせてシステムを構築・運用する側面が強いため、論理的思考力や手順通りに進める力が活かせます。私も、他業種からインフラエンジニアにキャリアチェンジして成功された方を何人も見てきました。
テストエンジニア・QAエンジニア
開発されたシステムやソフトウェアが仕様通りに動くか、不具合がないかなどを検証するテストエンジニアやQA(品質保証)エンジニアも、未経験からの入り口としておすすめです。直接コードを書く機会は少ない場合もありますが、システムの全体像を理解したり、論理的にテストケースを考えたりする力が求められます。
ユーザー視点やビジネス視点を持って品質向上に取り組むことが重要なので、前職で培った経験(例えば、営業職で顧客の課題を聞く力、事務職で細部まで確認する正確さなど)が活かしやすい職種でもあります。ここでシステム開発の流れや品質への意識を学ぶことは、その後のキャリア(開発エンジニアなど)に必ず役立ちますよ。
成長が期待できる、注目の分野
未経験から入った後、どんな分野でスキルを深めていくか、という視点も大切です。将来性があり、かつ未経験からの学習パスが比較的整備されつつある注目の分野をご紹介します。
データエンジニア・MLOpsエンジニア
近年、あらゆる企業がデータを活用しようとしていますが、そのデータ基盤の構築や運用、分析環境の整備を担うのがデータエンジニアです。また、機械学習モデルを開発し、継続的に運用・改善していくための仕組みを作るMLOpsエンジニアも需要が急増しています。これらの分野は比較的新しく、経験者が少ないため、未経験からでも積極的に採用・育成する動きがあります。
データ分析や機械学習自体は専門知識が必要ですが、まずはデータ基盤の構築(クラウドサービスの利用など)や、Pythonを使ったデータ処理など、比較的学習しやすい部分から入ることができます。数学的な知識や論理的思考力、そして新しい技術への強い好奇心がある方には、非常にやりがいのある分野だと思います。
モダンな開発(アジャイル、DevOpsなど)に関わる職種
開発手法や組織文化も変化しています。アジャイル開発やDevOpsといった考え方が広まり、開発チーム内で密に連携を取りながら、短いサイクルで改善を繰り返していくスタイルが主流になってきています。こうした環境では、単にコードを書けるだけでなく、チームでのコミュニケーション能力、変化への対応力、そしてより良いものを作るための主体性が強く求められます。
このような環境に飛び込むと、技術スキルだけでなく、モダンな開発プロセス全体を肌で感じながら学ぶことができます。開発と運用を兼任するDevOpsエンジニアや、チーム全体の生産性向上を支援するスクラムマスターなど、役割も多様化しています。未経験でも、チームの一員として貢献しようとする姿勢や、新しい働き方への適応力があれば、活躍の機会は十分にあるでしょう。
未経験からエンジニアを目指すためのステップ
さて、未経験からエンジニアを目指す方が増えている背景、企業が求める人物像、そして未経験でも活躍できる可能性のある職種についてお話ししてきました。市場の変化を知ることは、不安を解消し、具体的な行動計画を立てる上で非常に重要です。
でも、知識を得ただけでは何も始まりませんよね。大切なのは、その知識を元に、あなたがどう行動するかです。未経験からエンジニアになるためには、計画的な学習と、効果的な自己アピールが必要不可欠です。
私がこれまでに多くの未経験者の転職を支援してきた経験から、成功する人に共通しているステップや考え方があります。闇雲に進むのではなく、着実に目標に近づくための具体的なステップを一緒に考えてみましょう。
まずは何から始めるべきか
未経験からエンジニアを目指す道のりは、決して楽なものではありません。ですが、正しいステップを踏めば、着実に前進できます。まずは、学習の基礎を固めることから始めましょう。
基礎学習の進め方
プログラミングにせよ、インフラにせよ、まずは基礎の基礎をしっかりと身につけることが大切です。Webサイトの仕組み、OSの基本、ネットワークの基礎など、ITの土台となる知識から学び始めると、その後の専門学習がスムーズに進みます。
学習方法としては、オンライン学習サイト(Progate、Udemyなど)や書籍、そしてプログラミングスクールなど様々な選択肢があります。自分に合った学習スタイルを見つけることが重要です。一人で黙々と進めるのが得意な人もいれば、仲間と一緒に学ぶ方が続くという人もいます。まずは色々な方法を試してみて、自分に一番合うものを選んでみましょう。
実践的な学習方法(ポートフォリオ作成など)
基礎知識をインプットするだけでなく、アウトプットすることが何よりも重要です。学んだことを使って、実際に何かを作ってみましょう。これがいわゆる「ポートフォリオ作成」です。簡単なWebサイトでも、自動化ツールでも、何でも構いません。
自分でテーマを決めて一から作り上げることで、基礎知識が定着するだけでなく、エラーに直面し、自分で解決策を見つけるという、エンジニアにとって最も大切な経験を積むことができます。作ったものはGitHubで公開し、どんな点に苦労し、どう乗り越えたのかといったプロセスも記録しておきましょう。企業が知りたいのは、完成品の素晴らしさだけでなく、あなたがどう学んで問題解決するのか、そのプロセスなんです。
キャリア形成のための考え方
未経験からエンジニアになることはゴールではなく、スタートです。長期的なキャリアを見据えて、最初のステップを選ぶこと、そして継続的に成長していくための計画を持つことが成功の鍵を握ります。
最初のキャリアの選び方
未経験OKの求人の中から、どの会社を選ぶか、どの職種を選ぶかは非常に重要です。単に「入りやすそうだから」という理由だけでなく、そこでどんな経験が積めるのか、どんな技術に触れられるのか、チームの雰囲気はどうか、といった点をしっかり見極めましょう。
最初は技術レベルが高くなくても、積極的に新しいことに挑戦させてくれる環境や、周りの先輩エンジニアから学びやすい環境を選ぶと、その後の成長スピードが大きく変わります。もし可能であれば、応募する前に会社のブログやSNSをチェックしたり、現役の社員に話を聞いたりして、実際の働き方や文化を理解するように努めましょう。
長期的なスキルアップ計画
IT業界は変化が速いです。一度スキルを身につければ安泰、ということはありません。未経験から入社した後も、継続的に新しい技術を学び、自分の専門性を深めていく必要があります。
どんな分野のプロフェッショナルになりたいのか、数年後、10年後にどうなっていたいのか、といった長期的な目標を持つことが、日々の学習のモチベーションになります。会社の研修制度を利用したり、コミュニティに参加したり、資格取得を目指したりと、様々な方法でスキルアップを続けていきましょう。エンジニアのキャリアは、学び続ける旅のようなものなんです。
採用担当の本音
正直、未経験からエンジニアを目指す方が、ここ数年で本当に増えたなと感じています。私のキャリアアドバイザーとしての15年以上の経験の中でも、特にここ数年は、応募書類や面談の場で未経験の方にお会いする機会が格段に増えました。これは、IT業界全体の活況や、エンジニアという仕事への注目度が高まっていることの現れだと思います。
でも同時に、「未経験」という言葉の持つ意味合いが、以前とは少し変わってきているようにも感じています。プログラミングスクールなどで基礎を学んだ方も多く、「完全なゼロ」というよりは、何かしらの学習経験がある方が多数派になってきました。採用担当としては、この「学びの質」や「何をどこまで学んだか」をしっかり見極める必要性を感じています。
未経験者の増加、どう見てる?
まず率直に言って、採用担当としては未経験者の増加は歓迎すべき側面と、少し慎重になる側面の両方があります。歓迎すべき点としては、新しい視点や多様なバックグラウンドを持つ方々が増えることで、組織が活性化される可能性があることです。特に、異業種での経験は、思わぬところでプロジェクトに貢献することもあります。
一方で、懸念としては、基礎的なスキルや知識が不十分なまま応募されるケースも少なくないこと。また、「エンジニア」という職種に対するイメージが先行し、現実の仕事内容とのギャップに苦労される方も見てきました。採用側としては、そういったミスマッチを防ぎたいという思いもあります。
ポジティブな変化と懸念
ポジティブな変化としては、未経験でも学習意欲が高く、自走できるポテンシャルを持った方に出会える機会が増えたことです。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中で、新しい技術分野に意欲的に取り組める人材は非常に魅力的です。異業種で培ったビジネス感覚やコミュニケーション能力も、エンジニアとして働く上で大きな武器になります。
ただ、懸念もゼロではありません。未経験者が増えすぎた結果、選考のハードルが上がっている側面は否めません。基礎知識があるのは当たり前になりつつあり、その上で「なぜエンジニアになりたいのか」「入社後にどう成長したいのか」といった、より深い部分を見極める必要が出てきています。形式的な学習経験だけでは、なかなか書類選考を通過しづらくなっている現実もありますね。
見極めに時間がかかる現実
正直な話、未経験者の見極めには、経験者の場合よりも時間を要することが多いです。職務経歴書だけでは判断しきれない部分が多いからです。そのため、面接やコーディングテスト、場合によってはカジュアル面談などを複数回設定することもあります。これは、応募者のポテンシャルや、実際の仕事に対する理解度、そしてカルチャーフィットを慎重に見極めるためです。
過去には、経歴は素晴らしいけれど、実際の業務内容とのミスマッチで早期に離職してしまったケースも経験しました。こういった経験から、採用担当としては、単に技術力だけでなく、応募者のキャリアプランや働く上で何を重視するかといった内面的な部分もしっかりと理解しようと努めています。お互いにとって、より良い選択となるように、時間をかけて向き合っているんです。
ぶっちゃけ、どこを見ているか
採用担当が未経験のエンジニア志望者を見るとき、最も重要視するのは「ポテンシャル」と「熱意」です。特にポテンシャルとは、単に賢いとかではなく、「学び続ける力」「変化に適応する力」「問題を解決しようとする姿勢」を指します。技術は日々進化するので、常に新しい知識を吸収し、それを自分の力に変えていく能力が不可欠なんです。
また、「なぜエンジニアになりたいのか」という理由にどれだけ説得力があるかも重要です。単に「稼げそうだから」とか「手に職をつけたいから」だけでなく、具体的な目標や、どんな技術に興味があるのかを明確に伝えられる人は、採用担当の印象に残りやすいですね。
熱意と学習意欲は必須
未経験からエンジニアを目指す上で、熱意と学習意欲は絶対に欠かせません。これらは、企業に入ってから直面するであろう多くの困難を乗り越えるための原動力となるからです。面接では、これまでの学習経験について具体的に深掘りされることが多いでしょう。どんな教材を使ったか、どんなサービスを作ってみたか、どんなエラーに直面しどう解決したか、といった具体的なエピソードを通じて、あなたの学習プロセスや問題解決能力を見ようとしています。
正直、「スクールで〇〇を学びました」という事実だけでなく、その過程であなたが何を考え、どう行動したのか、そしてこれからどう学び続けたいのか、といった「熱」の部分を強くアピールできるかが鍵になります。自分で何かを作ってみたり、OSSに少しでも貢献してみたり、技術イベントに参加してみたり…そういった主体的な行動は、採用担当の心を動かす力がありますよ。
「何がしたいか」の解像度
「エンジニアになりたい」という熱意はもちろん素晴らしいのですが、さらに一歩進んで「エンジニアになって、具体的に何がしたいのか」の解像度が高い人は、採用担当の目には魅力的に映ります。例えば、「ユーザーの課題を解決できるWebサービス開発に携わりたい」「AI技術を使って新しい価値を生み出したい」「教育分野でITを活用する仕事がしたい」など、具体的なイメージを持っているかいないかで、話の深みが全く変わってきます。
これは、入社後のミスマッチを防ぐためにも非常に重要です。企業側も、どんなキャリアパスを描きたいのか、どんな分野に興味があるのかを知ることで、入社後の配属や育成プランを検討しやすくなります。「まだ漠然としていて…」という方も多いと思いますが、現時点で考えられる範囲で構わないので、自分なりの「こうなりたい」という姿を言語化しておくことが大切です。
未経験 エンジニア 増えすぎ
ここ数年、「未経験からエンジニアに!」という声を本当に多く聞くようになりました。私の周りでも、異業種からITの世界に飛び込む知人が増えています。転職市場全体で見ても、未経験応募枠への注目度は年々高まっていると感じます。これは単に個人のキャリア志向の変化だけでなく、社会全体の構造的な変化が大きく影響していると考えています。
特に大きな要因は、国の推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)や、新型コロナウイルスの流行で一気に普及したリモートワークでしょう。これにより、多くの企業がIT投資を増やし、場所を選ばずに働けるエンジニアという職種への関心が高まったことが、未経験者の増加に拍車をかけているのは間違いないですね。
なぜこんなに増えたのか?
未経験からエンジニアを目指す人がこれほどまでに増えた背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。まず、IT業界自体が常に人手不足であること。そして、他の業界に比べて比較的高い収入が得られる可能性があること。さらに、特定のスキルを身につければ、場所や時間にとらわれずに働けるリモートワークの選択肢が広がったことなども、大きな動機になっていると思います。
また、プログラミング学習のハードルが下がったことも見逃せません。オンライン学習プラットフォームや、手厚いサポートを売りにしたプログラミングスクールが普及したことで、「自分にもできるかも」と感じる人が増えたのではないでしょうか。実際に、私の元に相談に来られる未経験の方のほとんどが、何かしらの方法で学習をスタートさせています。
DX推進とエンジニア不足
日本の多くの企業は、いわゆる「2025年の崖」問題に代表されるように、レガシーシステムからの脱却や、新しい技術を活用したビジネス変革(DX)を喫緊の課題としています。このDXを推進するためには、圧倒的にIT人材、特にエンジニアが必要です。しかし、長らく続くITエンジニア不足は解消されていません。
この構造的な人手不足が、未経験者にもチャンスが生まれている最大の理由の一つです。即戦力となる経験者が限られているため、企業はポテンシャルのある未経験者を採用し、自社で育成しようという流れが強まっています。特に、クラウド技術やAI、データ分析といった新しい分野は、経験者自体が少ないため、未経験から参入しやすい領域とも言えますね。
リモートワークの普及とキャリアチェンジ
新型コロナウイルスのパンデミックを機に、多くの企業でリモートワークが急速に普及しました。これにより、「働く場所」の制約が大きく緩和され、地方に住みながら都心の企業の求人に応募したり、子育てや介護と両立しながらキャリアを積むといった、新しい働き方が可能になりました。
エンジニア職は、比較的リモートワークとの相性が良い職種の一つです。この柔軟な働き方に魅力を感じ、他の業界からキャリアチェンジを考える人が増えた側面もあるでしょう。私の元にも、「リモートで働きたいからエンジニアになりたい」という動機で相談に来られる方が、以前よりも増えています。
プログラミングスクールの影響
プログラミングスクールの普及は、未経験エンジニア増加にダイレクトに影響を与えています。かつては独学が主流だったプログラミング学習ですが、スクールに通うことで体系的に学べたり、キャリアサポートを受けられたりする環境が整いました。これにより、「プログラミングは難しい」と感じていた人も、学習への一歩を踏み出しやすくなりました。
ただし、スクールを卒業した人が増えたことで、採用市場では「スクールで学んだ」というだけでは差別化が難しくなっています。スクールで学んだ内容に加えて、自分でプラスアルファの学習をしたり、独自の成果物を作ったりすることが、採用担当の目を引くためには重要になってきています。
未経験者が多い現状の市場への影響
未経験者の増加は、ITエンジニアの採用市場に大きな変化をもたらしています。以前は即戦力となる経験者採用が中心だった企業も、未経験者採用を強化したり、育成前提のポテンシャル採用に力を入れたりするようになりました。これは、企業が将来を見据えた人材育成に投資するようになった良い側面です。
一方で、応募者側から見ると、未経験という同じスタートラインに立つ人が増えたため、競争が激化しているとも言えます。「未経験OK」の求人が増えたからといって、誰でも簡単にエンジニアになれるわけではありません。他の応募者と差をつけるための努力が、これまで以上に求められています。
企業側の採用戦略の変化
未経験者が増えたことで、企業側の採用戦略も変化しています。まず、以前よりも選考プロセスが多様化し、応募者のスキルやポテンシャルを見極めるための方法が増えました。書類選考だけでなく、オンラインでのコーディングテスト、技術面接、そして社員とのカジュアル面談などを組み合わせる企業が増えています。
また、採用後の育成についても、オンボーディングプログラムを整備したり、メンター制度を導入したりするなど、未経験者がスムーズに現場に馴染めるような体制づくりに力を入れる企業が増えています。これは、採用した人材をしっかりと育て、長く活躍してもらいたいという企業の強い意志の表れと言えるでしょう。
競争激化と差別化の重要性
未経験者応募枠の増加は、応募者数全体の増加に繋がり、結果として競争が激化しています。特に、知名度の高い企業や働き方の魅力的な企業には、非常に多くの応募が集まります。この状況で採用を勝ち取るためには、他の応募者との差別化が不可欠です。
差別化のポイントはいくつかあります。例えば、単にプログラミングスキルがあるだけでなく、異業種での経験で培った業務知識や課題解決能力をアピールすること。特定の技術分野に特化して深く学ぶこと。あるいは、技術力だけでなく、コミュニケーション能力やチームで働くことへの意欲を強く示すことなどです。自分自身の強みや、なぜその企業でなければならないのかを明確に伝える準備が、これまで以上に重要になっています。
未経験が知っておくべき「採用のリアル」
未経験からエンジニアを目指す方が知っておくべきことは、採用の現場で実際に何が見られているか、ということです。私のキャリアアドバイザーとしての経験からお伝えすると、書類に書かれた資格や学歴はもちろん見ますが、それ以上に重視されるのが、あなたの「人物像」と「ポテンシャル」、そして「なぜエンジニアなのか」という熱意です。
特に、未経験者を採用する場合、企業側は入社後の成長を強く期待しています。そのため、現時点での完成度よりも、「これからどれだけ伸びる可能性があるか」というポテンシャルを慎重に見極めようとします。面接官は、あなたの話し方や質問への回答を通じて、問題解決能力やコミュニケーション力、そして何よりも「一緒に働きたいか」という視点で見ています。
スキルよりポテンシャル?それだけじゃない
よく「未経験採用はスキルよりポテンシャル重視」と言われますが、これは完全に正しいわけではありません。確かにポテンシャルは非常に重要ですが、最低限の学習経験や、基本的な技術への理解があることが前提となるケースがほとんどです。完全にゼロ知識で応募しても、書類選考で難航することが多いのが現実です。
ここでいう「スキル」とは、特定の言語をマスターしていることよりも、自分で調べて学ぶ力、エラーに立ち向かう力、そして自分で何かを作り出してみる力といった、学習プロセスの中で培われる総合的な能力を指すことが多いです。ポテンシャルと最低限のスキルは、どちらか一方ではなく、セットで求められていると考えてください。
企業が求める「ポテンシャル」の中身
企業が未経験者に求める「ポテンシャル」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。私が多くの企業の人事担当者や現場のエンジニアの方々と話してきて感じるのは、「自走力」と「変化への適応力」が非常に重視されているということです。ITの世界は変化が激しいため、自分で課題を見つけ、解決策を探し、新しい技術を学び続ける姿勢が不可欠です。
また、チームで働く上での協調性や、自分の考えを分かりやすく伝え、相手の意見を理解しようとするコミュニケーション能力も、重要なポテンシャルの一つと見なされます。技術力は入社後に身につけることができますが、これらのヒューマンスキルは一朝一夕には身につかないため、採用の段階でしっかりと見極めようとする企業が多いです。
実践的な学びの重要性
プログラミングスクールやオンライン教材での学習は素晴らしいスタートラインですが、採用担当者が本当に見たいのは、その学びを「どう活かしたか」「何を作り出したか」という実践的な部分です。教科書通りの課題をこなすだけでなく、自分でテーマを見つけてオリジナルのアプリケーションやWebサービスを作ってみたり、公開したりする経験は、非常に高く評価されます。
私自身も、以前未経験者を採用した際、ポートフォリオとして作成したWebサービスについて深く質問しました。どんな機能があるか、どんな技術を使ったかだけでなく、「なぜこの機能を作ろうと思ったのか」「開発中にどんな壁にぶつかり、どう乗り越えたのか」といったプロセスを知ることで、その人の問題解決能力や熱意がよく理解できました。実践を通じた学びは、あなたの真の実力を示す最良の手段です。
こんな人は採用したい!共通点
採用担当者が「この人はぜひ採用したい!」と感じる未経験者には、いくつかの共通点があります。それは、高い学習意欲とそれを裏付ける具体的な行動、明確なキャリアプラン、そして何よりも素直さと誠実さ、そしてチームで働くことへの意欲です。面接の場で、これらの要素を感じられる人は、たとえ現時点でのスキルが完璧でなくても、採用したいという気持ちが強くなります。
私の経験では、技術的な質問にすぐに答えられなくても、「すみません、その知識はまだありませんが、すぐに調べて勉強します!」と素直に答えられる人や、「〇〇という技術に興味があるので、入社したらぜひ挑戦してみたいです」と具体的に話せる人は、非常に印象が良いです。完璧でなくても、学び続ける姿勢や前向きな姿勢が伝わることが大切なんです。
コミュニケーション能力と主体性
エンジニアの仕事は、一人で黙々とコードを書くだけではありません。プロジェクトメンバーと連携したり、デザイナーや営業担当と要件を詰めたり、顧客とコミュニケーションを取ったりと、多岐にわたる人との関わりがあります。そのため、円滑なコミュニケーション能力は、技術力と同じくらい重要視されています。自分の考えを論理的に伝える力、相手の話をしっかり聞く力は、チーム開発において不可欠です。
また、主体性も採用の鍵となります。「与えられたタスクをこなす」だけでなく、「どうすればもっと効率的になるか」「この課題を解決するためにはどうすれば良いか」と自ら考え、行動できる人は、企業にとって非常に価値の高い人材です。未経験であっても、「何か会社に貢献したい」「もっと良くしたい」という意欲を積極的に示すことが大切です。
キャリアプランへの真剣さ
未経験者を採用する企業は、その人が将来的にどのように成長していきたいのか、どんなキャリアパスを歩みたいのかを非常に重視します。単に「エンジニアになりたい」というだけでなく、「将来的には〇〇の分野で専門性を高めたい」「プロジェクトマネージャーとしてチームを率いたい」など、自分なりのキャリアプランを真剣に考えている姿勢は、採用担当の心に響きます。
これは、入社後のミスマッチを防ぐだけでなく、あなたがどれだけ真剣にエンジニアというキャリアに向き合っているかを示す指標にもなります。面接では、ぜひあなたの将来の目標や、それを達成するためにどのような努力をしていきたいのかを具体的に伝えてみてください。企業側も、あなたの成長をどのようにサポートできるかを検討しやすくなりますよ。
これから未経験エンジニアを目指すあなたへ
未経験からエンジニアを目指すことは、決して簡単な道のりではありません。特に、未経験者が増えている今、以前にも増して努力と戦略が必要になります。しかし、IT業界は常に新しい技術が生まれ、新しいサービスが求められる、非常にエキサイティングな世界です。ここでキャリアを築くことは、きっとあなたの人生にとって大きなプラスになるはずです。
私の経験から言えるのは、最も大切なのは「諦めないこと」と「学び続けること」です。最初は思うようにいかないことや、壁にぶつかることも多いでしょう。でも、そこで立ち止まらず、どうすれば乗り越えられるかを考え、行動し続ける力が、最終的に成功へと繋がります。これから目指すあなたを、心から応援しています。
どんな分野を目指すべきか
未経験からエンジニアを目指す場合、最初から全ての技術領域を学ぶのは現実的ではありません。自分の興味や適性、そして市場のニーズを踏まえて、どの分野を目指すかをある程度絞り込むことが効率的な学習に繋がります。もちろん、最初に選んだ分野が全てではありませんし、キャリアの途中で方向転換することも可能です。
一般的に、未経験から比較的参入しやすいと言われるのは、Web開発(フロントエンド・バックエンド)の領域です。チュートリアルや教材が多く、自分で何かを作りやすいというメリットがあります。しかし、競争も激しいため、他の分野にも目を向けてみる価値は十分にあります。
クラウドやデータ分析など新しい領域
近年、特に需要が高まっているのが、クラウド技術(AWS, Azure, GCPなど)やデータ分析、AI、機械学習といった比較的新しい領域です。これらの分野は、歴史が浅いため経験者自体が少なく、未経験からでも比較的チャンスを見つけやすいかもしれません。特にクラウド技術は、多くの企業が導入を進めているため、関連資格を取ることも有効なアピールになります。
私自身も、企業の求人を見ていると、これらの新しい技術領域に関するものが非常に増えていると感じます。もちろん、これらの分野も専門性が高いため簡単なわけではありませんが、これからエンジニアとして長く活躍していくことを考えると、学んでおいて損はない分野と言えるでしょう。
特定の業界知識を活かす道
もしあなたがIT以外の業界で経験があるなら、その業界知識を活かせるIT分野を目指すのも一つの戦略です。例えば、金融業界での経験があればフィンテック、医療・介護業界での経験があればヘルスケアテック、製造業であればIoTやFA(ファクトリーオートメーション)関連のエンジニアなどです。
技術力に加えて、特定の業界や業務に関する深い理解を持っている人材は、企業にとって非常に価値が高いです。技術は入社後に学ぶとして、その業界特有の課題やニーズを理解していることが、大きな強みになります。面接でも、「これまでの経験をITでどう活かしたいか」を具体的に語れると、採用担当の興味を惹きつけやすいでしょう。
採用を勝ち取るための具体的な行動
未経験からエンジニアとして採用を勝ち取るためには、闇雲に学習するだけでなく、採用を見据えた具体的な行動を取ることが重要です。履歴書や職務経歴書だけでは伝わりきらないあなたの熱意やスキルを示すために、積極的にアウトプットを行い、それをアピールすることが鍵となります。
また、企業がどんな人材を求めているのかをしっかりと理解し、自分の強みや経験がどのように活かせるのかを論理的に説明する準備も欠かせません。採用担当は、あなたが「なぜこの会社で働きたいのか」「入社したらどんな貢献ができるのか」を知りたいと思っています。
ポートフォリオとアウトプット
未経験者にとって、ポートフォリオはあなたのスキルと熱意を示す最も重要なツールです。プログラミングスクールの課題だけでなく、自分でアイデアを出して開発したオリジナルのWebサイト、アプリケーション、ツールなどをまとめて公開しましょう。GitHubなどを活用して、書いたコード自体も公開すると、あなたの技術力や学習プロセスをより具体的に示すことができます。
ポートフォリオには、単に成果物を羅列するだけでなく、「なぜこれを作ろうと思ったのか」「どんな技術を使ったのか」「開発中にどんな課題に直面し、どう解決したのか」といった背景やプロセスも丁寧に記載することが大切です。採用担当は、完成度よりも、あなたの思考プロセスや問題解決能力を見ようとしています。積極的にアウトプットし、あなたの「エンジニアとしての片鱗」を見せつけましょう。
企業の文化理解とフィット感
最後に、採用を勝ち取るために非常に重要なのが、応募する企業の文化や価値観を理解し、そこに自分がフィットするかどうかを考えることです。企業のWebサイトやSNS、社員のブログなどをチェックして、どんな雰囲気の会社なのか、どんな働き方をしているのかを知るように努めましょう。
面接では、「なぜうちの会社を選んだのですか?」と必ず聞かれます。その際に、「御社の〇〇というミッションに共感しました」「御社の△△という技術スタックに興味があり、ぜひ学びたいです」など、具体的な理由を伝えることが、あなたの本気度と、企業への関心を示すことに繋がります。企業側も、入社後に長く活躍してくれる人材を求めています。企業との「フィット感」を意識した準備が、採用への道を大きく切り開くはずです。
未経験エンジニアの増加とその背景
キャリアアドバイザーとして日々多くの方とお話ししていると、IT業界への転職を希望される方が本当に増えたなと感じます。特に、全くの異業種からエンジニアを目指す「未経験」の方の勢いはすごいですよね。この数年で、プログラミングスクールもたくさんできて、学習のハードルがぐっと下がったのも大きいと思います。
私自身も、初めてIT業界の方とお会いした頃は、専門用語だらけで正直戸惑うこともありました。でも、今は皆さん積極的に学ばれていて、その熱意に触れるたびに、この業界の魅力と可能性を感じています。なぜこれほど未経験からエンジニアを目指す方が増えているのか、その背景にはいくつかの大きな変化があるんです。
なぜ今、未経験からエンジニアを目指す人が増えたのか?
世の中のデジタル化が急速に進んだことで、ITエンジニアの需要は右肩上がりです。これは皆さんも肌で感じているのではないでしょうか。企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しないと生き残れない時代になり、その核となるのがエンジニアだからです。
特に最近は、新しい技術に対応できる人材が圧倒的に足りていません。そのため、多少経験がなくても、学ぶ意欲のある未経験者を採用して育てよう、という企業が増えているんです。
働き方の変化とキャリアチェンジの波
コロナ禍を経て、リモートワークが一気に普及しましたよね。これにより、働く場所の制約が少なくなり、多様な働き方ができるようになりました。
地方に住みながら都市部の企業の仕事をする、といったことも珍しくなくなりました。こうした柔軟な働き方に魅力を感じて、時間や場所に縛られにくいエンジニア職にキャリアチェンジしたいと考える人が増えたのも自然な流れかもしれません。
IT人材需要の高まりと供給の現状
経済産業省の予測でも、将来的にはかなりのIT人材が不足すると言われています。企業側も、この人材不足を解消するために、従来の経験者採用だけでなく、未経験者からの採用にも力を入れ始めています。
特に、クラウドやAI、データ分析といった最新技術の分野は、経験者がまだ少ないため、未経験でもポテンシャルを重視して採用されるケースが見られます。この需要と供給のバランスが、未経験からエンジニアを目指す方を後押ししている要因の一つです。
プログラミング学習が身近になった理由
以前は、エンジニアになるには専門学校や大学で学ぶか、独学で分厚い本と格闘するイメージでした。でも、今は状況が全く違います。
オンラインで質の高い教材が手軽に入手できたり、手厚いサポートを受けられるプログラミングスクールがたくさん登場しました。これにより、学習のハードルがぐっと下がったのは間違いありません。
オンライン学習プラットフォームやスクールの進化
UdemyやCourseraといったオンライン学習プラットフォームでは、世界中の専門家が作った講座を自分のペースで学べます。最新の技術を効率よく体系的に学べるのが魅力です。
また、プログラミングスクールも多様化し、オンライン完結型や、特定の技術に特化したコースなど、自分の目標に合わせた学習を選べるようになりました。転職支援までセットになったスクールも多く、学習から就職までを一貫してサポートしてくれる体制も、未経験者には心強い存在ですよね。
異業種からの参入障壁が下がった側面
学習環境が整ったことで、文系出身の方や全くITとは無縁の仕事をしていた方でも、基礎からしっかりと学ぶことができるようになりました。実際に私の支援した方の中にも、営業や事務、サービス業など、様々なバックグラウンドからエンジニアに転職された方がたくさんいます。
もちろん、学習期間中は大変なことも多いと思いますが、以前に比べて「自分にもできるかも」と思える機会が増えたことは、未経験からの挑戦を後押ししています。
企業が未経験エンジニアに求める人物像
未経験OKの求人が増えたとはいえ、どんな人でも採用されるわけではありません。企業は未経験者に対して、経験者のように即戦力となる技術力ではなく、別の部分に期待しています。
面談で企業の方からよく聞くのは、「未経験でも、こういう人なら一緒に働きたい」という基準です。それは、技術のキャッチアップ力や、チームで働く上での協調性だったりします。
企業が見る「ポテンシャル」とは何か?
「ポテンシャル採用」という言葉をよく聞くと思います。これは単に「若くて元気そう」というだけではありません。企業が未経験者に見出すポテンシャルとは、将来的にエンジニアとして成長し、会社に貢献できる可能性のことです。
具体的には、新しいことを積極的に学び続ける姿勢や、変化に柔軟に対応できる力などが含まれます。
学習意欲と自走力の重要性
IT技術は日進月歩で進化しています。一度学んだら終わり、ということは絶対にありません。常に新しい情報をキャッチアップし、自分で調べて学びを進める「自走力」が不可欠です。
企業は、面接で「どうやって学習していますか?」「最近学んだことで興味深かったことは?」といった質問を通じて、皆さんの学習意欲や自走力を見極めようとします。指示待ちではなく、自分で考えて動ける人は、未経験からでも急速に成長します。
変化への適応力と柔軟性
開発の現場では、予期せぬトラブルが発生したり、仕様変更があったり、常に変化がつきものです。完璧な状況はむしろ稀かもしれません。
そんな状況でも、パニックになったり立ち止まったりせず、状況を受け入れて、柔軟に対応できる力が必要です。新しい技術やツールを抵抗なく受け入れられるかどうかも、適応力の一つですね。
技術力以外で評価されるポイント
技術力はもちろん大事ですが、それだけでは良いエンジニアとは言えません。特に未経験からのスタートであれば、技術力以外のソフトスキルが採用を左右することもあります。
私の経験上、企業が本当に重視しているのは、チームの一員として貢献できるかどうか、そしてビジネス全体の理解度です。
コミュニケーション能力とチームワーク
現代の開発は、ほとんどがチームで行われます。仕様の確認、進捗報告、困ったときの相談など、メンバーとの密なコミュニケーションが不可欠です。
自分の考えを正確に伝えたり、相手の話をしっかり聞いたりする力は、技術力と同じくらい重要です。チームで協力して一つの目標に向かえる人は、たとえ未経験でもすぐに現場に馴染めます。
ビジネス視点と問題解決能力
エンジニアの仕事は、ただコードを書くだけではありません。その技術が、どんなビジネス課題を解決するのか、ユーザーにどんな価値を提供するのか、といったビジネス全体の視点を持つことが大切です。
また、エラーやバグが発生した際に、原因を特定し、解決策を見つけ出す「問題解決能力」も重要です。日頃から、物事の本質を見抜こうとする姿勢や、論理的に考える癖をつけておくと良いでしょう。
未経験エンジニアの採用を取り巻く現状
未経験エンジニアを巡る採用市場は、活況ではあるものの、競争も激化しています。「未経験OK」という求人が増えた一方で、求められるレベルが少しずつ上がってきている、というのが私の実感です。
特に最近は、プログラミングスクールを卒業した方が非常に多くなり、基礎知識がある前提で選考が進むケースが増えました。だからこそ、他の応募者との差別化が重要になります。
市場全体の動向と需要のバランス
DXやデジタル化の波は今後も続くと見られており、IT人材の需要は高止まりするか、さらに増加する可能性が高いです。この点は、未経験からエンジニアを目指す方にとって追い風であることに間違いありません。
しかし、先ほども触れたように、供給側(エンジニアになりたい人)も増えています。特に、Web開発系の基本的なスキルを持った方の母数はかなり増えました。
DX加速による追い風
多くの企業が、レガシーシステムからの脱却や、新たなデジタルサービスの開発に積極的に投資しています。これにより、多様なITプロジェクトが生まれ、様々な分野でエンジニアが必要とされています。
特に、クラウド環境での開発や運用、データ活用に関するポジションは、人手不足感が強い傾向にあります。これらの分野は比較的新しいため、経験者も限られており、未経験からチャレンジしやすい側面もあります。
リモートワーク普及がもたらす競争
リモートワークの普及は、働く側の選択肢を広げましたが、同時に企業側の採用エリアも広げました。これにより、全国どこからでも同じ企業の求人に応募できるようになり、応募者間の競争は以前より激しくなっています。
特に人気の企業やポジションには応募が集中しやすく、単に「プログラミングができます」というだけでは書類選考を通過するのも難しくなってきているのが現状です。
求人情報の「未経験OK」を読み解く
「未経験OK」と書いてある求人でも、その内容は企業によって大きく異なります。本当にゼロから丁寧に教えてくれる会社もあれば、ある程度の基礎知識やポートフォリオを必須としている会社もあります。
求人情報を鵜呑みにせず、その裏にある企業の意図や求める人物像を読み解く力が大切です。
ポジションごとの難易度の違い
同じ「エンジニア」でも、担当する業務内容によって未経験からの難易度は変わります。例えば、運用・保守のサポート業務からスタートできるポジションもあれば、サービスの根幹に関わる開発ポジションもあります。
未経験から挑戦しやすいと言われるのは、テスターやQA(品質保証)、サポートエンジニアといった職種です。これらのポジションで実務経験を積んでから、開発エンジニアを目指すというキャリアパスも考えられます。
入社後の育成体制の確認ポイント
未経験者にとって、入社後の育成体制は非常に重要です。OJT(On-the-Job Training)は基本ですが、体系的な研修プログラムがあったり、メンター制度があったりする企業の方が、スムーズに立ち上がりやすいでしょう。
面接時には、入社後の具体的な研修内容や、チームの構成、周りのサポート体制について積極的に質問してみることをお勧めします。育成に力を入れている企業かどうかを見極めるヒントになります。
未経験エンジニアが直面しやすい課題
未経験からエンジニアを目指す皆さんは、本当に素晴らしい熱意と行動力を持っています。しかし、残念ながら誰もがスムーズに転職し、活躍できるわけではありません。
私の支援経験の中でも、未経験からの転職活動は、経験者のそれとは異なる独特の難しさがあると感じています。特に、企業が求めるレベル感と、応募者が身につけているスキルの間にギャップがある場合が多いです。
採用選考で苦戦するポイント
「プログラミングスクールを卒業したのに書類が通らない」「面接でうまくアピールできない」といった悩みをよく聞きます。これは、企業が見ているポイントと、アピールしているポイントがずれている場合に起こりやすいです。
特に「実務経験がない」という点は、どうしても壁になりがちです。
実務経験の壁
未経験者にとって、これが最大の壁かもしれません。どんなに個人的に勉強しても、実際のビジネスの場で、チームで開発した経験はありません。企業は「本当に現場でやっていけるのか?」という不安を少なからず持っています。
この不安を払拭するために、個人的な開発経験や、学習中にチーム開発を経験したこと、またはそれに近い活動をした経験などを具体的にアピールする必要があります。
ポートフォリオの見せ方
ポートフォリオは、未経験者が自身のスキルや学習成果を示す貴重なツールです。しかし、ただ動くものを作っただけでは、企業へのアピールとしては不十分なことが多いです。
どんな目的で何を作り、どんな技術を使い、どんな工夫をしたのか。そして、作る過程でどんな課題にぶつかり、どう乗り越えたのか。こうしたストーリーや思考プロセスをしっかりと伝えることが、ポートフォリオの価値を何倍にも高めます。
入社後にぶつかる壁
運よく未経験で採用されたとしても、そこがゴールではありません。むしろ、本当の勝負は入社してから始まると言っても過言ではないでしょう。現場には、学習だけでは得られない様々な壁が待っています。
特に、開発のスピード感や、既存のシステムを理解することに苦労する人が多いように感じます。
現場のスピード感とOJTの課題
研修期間が終わると、いよいよ実務に入ります。しかし、実際の開発現場のスピードは、学習中とは比べ物にならないほど速いことが多いです。次々と新しいタスクが降ってきて、ついていくのがやっと、という状況になることもあります。
また、OJTは先輩社員に教えてもらいながら進めますが、先輩も自分の業務があるため、つきっきりで教えてもらえるわけではありません。自分で積極的に質問したり、調べたりする姿勢が求められます。
ドキュメントや既存コードの理解
多くの企業では、すでに稼働しているシステム(レガシーシステム含む)に関わることになります。これらのシステムは、長年開発・改修が重ねられており、コードが複雑だったり、ドキュメントが古かったり、あるいは存在しなかったりすることもあります。
新しい技術を学ぶのとは違い、既存のものを読み解く力、そしてその中でどのように変更を加えていくか、といった知識やスキルは、実務を通してでないと身につきにくい部分です。ここを乗り越えるには、根気と探求心が必要です。
企業側から見た採用基準と選考プロセスの変化
これだけ未経験からの応募者が増えると、企業側も採用の仕方を変えてきます。昔のように「プログラミング経験があればOK」という単純な基準ではなくなってきました。
特に、経験豊富な人材の採用が難しい現在、未経験者を採用し、いかに自社で育てていくか、という視点を持つ企業が増えています。そのため、選考プロセスも、応募者のポテンシャルや自社とのフィット感をより深く見極める方向へと変化しています。
採用担当者が重視する評価軸
採用担当者は、履歴書や職務経歴書、面接、そして技術課題など、様々な情報から応募者を見極めようとします。未経験者の場合、特に重視されるのは、技術力そのものよりも、その背後にある「思考力」や「姿勢」です。
私も採用に関わった経験がありますが、技術的な知識量は、入社後にキャッチアップできます。でも、根本的な考える力や、成長意欲は後から変えるのが難しい部分です。
技術試験・課題よりも「思考プロセス」
技術試験やコーディング課題を出す企業は多いですが、その目的は、正解にたどり着けるかだけでなく、問題に対してどうアプローチし、どんな思考プロセスで解決しようとしたかを見ることです。
例えば、エラーが出たときにどうやって原因を探すのか、複数の解決策がある中でなぜその方法を選んだのか。こうした過程を説明できる力は、現場での問題解決に直結します。
面接での「本質」を見抜く質問
面接では、表面的なスキルだけでなく、応募者の内面、つまり働く上での価値観や、困難にどう向き合うか、といった「本質」を見抜こうとします。「なぜエンジニアになりたいのか?」という質問一つをとっても、その背景にある強い動機や、この仕事への本気度を見極めています。
また、過去の経験(IT以外の経験でも!)から、課題解決能力やコミュニケーション能力、チームで働く上での姿勢などを引き出す質問も重視されます。
これからの選考はどう変わる?
今後、未経験者の採用はますます一般的になる一方で、選考はより実践的かつ多角的な視点で行われるようになるでしょう。単にプログラミングスクールを卒業した、というだけでは埋もれてしまう可能性があります。
より実務に近いスキルや、チームで働く上での協調性をアピールできるかがカギになります。
実践的なチーム開発経験を問う動き
GitHubを使った共同開発や、アジャイル開発の経験など、チームでの開発プロセスに慣れているかどうかが重視され始めています。これは、実際の開発現場ではチームで働くことがほとんどだからです。
個人的なプロジェクトだけでなく、オンラインのコミュニティや勉強会などで、複数人と協力して何かを作り上げた経験があれば、積極的にアピールすると良いでしょう。
カルチャーフィットやビジネス理解度を重視
企業文化(カルチャー)へのフィット感も、採用において非常に重要な要素です。どんなに技術力が高くても、チームや会社の雰囲気に合わないと、お互いに不幸になってしまう可能性があります。
面接などを通じて、企業のビジョンや働く環境への共感を示し、自分がその中でどのように貢献できるかを伝えることが大切です。また、応募先の企業の事業内容やサービスについて理解を深めておくことも、ビジネス理解度を示す上で有効です。
未経験からエンジニアとして活躍するために必要なスキル
未経験からエンジニアを目指す上で、どのようなスキルを習得すれば良いのか、多くの方が悩むポイントだと思います。プログラミング言語の種類もたくさんあって、どれから手をつければいいのか迷ってしまいますよね。
私のこれまでの経験から言えるのは、まず基礎をしっかりと固めること、そして、学ぶだけでなく「使う」ことを意識することの重要性です。加えて、技術スキルだけでなく、現場で必須となる周辺スキルも同時に磨いていく必要があります。
最低限習得すべき基礎技術
プログラミングの基礎はもちろんですが、開発を進める上で必要となるツールや概念も同時に学ぶ必要があります。これらが土台となって、その後の応用力や問題解決能力に繋がっていきます。
特に、自分でコードを書いて、実行して、エラーと向き合う経験は、座学だけでは決して得られない貴重な学びです。
プログラミング言語の選び方と学習方法
どの言語から学ぶかは、目指す分野によって異なりますが、Web開発であればHTML, CSS, JavaScript、バックエンドならPython, Ruby, Javaなどが一般的です。最初から複数の言語に手を出すより、一つに絞って基礎を固めるのがおすすめです。
学習方法としては、オンライン教材やスクールで体系的に学びつつ、並行して自分で簡単なプログラムを書いてみるのが効果的です。インプットとアウトプットを繰り返すことで、知識が定着します。
開発環境構築とバージョン管理の基本
コードを書くだけでなく、プログラムを実行するための環境を整えたり、自分が書いたコードの変更履歴を管理したりすることもエンジニアの基本的な業務です。
VirtualBoxやDockerを使った開発環境構築の練習や、GitとGitHubを使ったバージョン管理の基本は、早めにマスターしておきましょう。これは、チーム開発を行う上でも必須のスキルです。
現場で役立つ応用スキル
基礎が身についたら、次はより実践的なスキルに目を向けましょう。これらのスキルは、実際にプロダクトを開発・運用する際に非常に重要となります。
特に「品質」に対する意識や、システムを安定稼働させるための知識は、現場に出てから痛感することになるはずです。
テストやデバッグの重要性
自分が書いたコードが正しく動くかを確認する「テスト」と、エラーの原因を見つけて修正する「デバッグ」は、開発プロセスにおいて欠かせない工程です。
これらのスキルは、実際にコードを書いて動かし、意図しない挙動をしたときに、どうすれば原因を特定できるか、という経験を積むことで身につきます。テストコードの書き方などを学ぶのも良いでしょう。
セキュリティとパフォーマンスの意識
サービスを公開する上で、セキュリティは非常に重要です。個人情報漏洩など、一度でも事故を起こせば、会社の信頼は失墜します。
また、システムが快適に動くための「パフォーマンス」も常に意識する必要があります。どうすれば処理速度を上げられるか、無駄な負荷をかけないか、といった視点は、より良いプロダクトを作る上で不可欠です。これらの知識は、書籍やオンライン講座でも学べますが、実際のシステム構成やコード例を通して学ぶのが効果的です。
未経験エンジニアが学ぶべき技術分野
未経験からエンジニアを目指す皆さんにとって、どの技術分野に注力して学習を進めるかは、キャリアの方向性を決める重要な選択です。IT業界には様々な領域があり、それぞれ求められるスキルや知識が異なります。
私が見てきた限り、特に近年需要が高く、未経験でも挑戦しやすい、あるいは将来性の高い分野がいくつかあります。自分の興味や適性も考慮しながら、学ぶべき技術分野を選んでいきましょう。
今、特にニーズが高い領域
企業が積極的に投資し、人材採用を強化している分野は、未経験者にとってチャンスが多いと言えます。これらの分野は比較的新しいため、経験者が少なく、ポテンシャル採用が活発に行われています。
ただし、人気が高い分、学習内容も高度になる傾向がありますので、覚悟は必要です。
クラウド(AWS, Azure, GCP)の基礎知識
AWS(Amazon Web Services)、Azure(Microsoft Azure)、GCP(Google Cloud Platform)といったクラウドサービスの利用は、今やIT開発のデファクトスタンダードとなりつつあります。サーバーやデータベース、ネットワークなどをクラウド上で構築・運用する知識は、エンジニアにとって必須になりつつあります。
クラウドの基礎を学び、簡単な構成を組めるようになると、応募できる求人の幅が大きく広がります。資格取得を目指すのも、知識習得のモチベーションになり、企業へのアピールにも繋がります。
データ分析やAIの入り口
ビジネスにおけるデータの活用は、企業の競争力強化に不可欠です。そのため、データ分析やAI(人工知能)に関する知識を持つエンジニアの需要が高まっています。
これらの分野は、数学や統計学の知識もあると有利ですが、まずはPythonなどを使ったデータの前処理や可視化、機械学習の基本的な仕組みから学ぶことができます。未経験から専門家になるのは大変ですが、基礎知識があるだけでも、関連するプロジェクトに参加するチャンスが生まれます。
安定したキャリアを築くための選択
最新技術も魅力的ですが、より多くの企業で必要とされており、エンジニアの基礎として長く役立つ分野も重要です。これらの分野をしっかりと学ぶことで、様々な企業のプロジェクトに対応できる汎用性の高いスキルが身につきます。
まずはこうした基盤となる技術を習得し、その上で興味のある新しい分野に挑戦していく、というステップも良いでしょう。
Web開発(フロントエンド/バックエンド)の深掘り
WebサイトやWebアプリケーションの開発は、IT業界の中でも非常に大きな割合を占めています。ユーザーに見える部分(フロントエンド)と、サーバー側で見えない処理を行う部分(バックエンド)に分かれますが、どちらも根強い需要があります。
HTML, CSS, JavaScriptといったフロントエンドの基本や、サーバーサイド言語(Python, Ruby, PHP, Javaなど)とフレームワーク(Django, Ruby on Rails, Laravel, Springなど)をしっかりと学ぶことは、多くの企業で活かせるスキルとなります。
インフラ・ネットワークの基礎
アプリケーションが動くためには、サーバーやネットワークといった「インフラ」が必要です。安定したサービスを提供するためには、これらのインフラを設計・構築・運用できるエンジニアが不可欠です。
インフラやネットワークは、目に見えない部分が多く、学習に根気がいるかもしれませんが、一度身につければ非常に市場価値の高いスキルとなります。OS(Linuxなど)やネットワークの仕組み、サーバーの基礎などを学ぶことで、システム全体の理解も深まります。
未経験エンジニアが活躍できる職種
未経験からエンジニアを目指す際、どのような職種でキャリアをスタートできるのかは、皆さんが最も知りたいことの一つでしょう。「開発エンジニア」を目指す人が多いですが、実はそれ以外にも、未経験からチャレンジしやすく、かつその後のキャリアに繋がる職種はたくさんあります。
自分のスキルレベルや適性を考慮しながら、まずは入り口としてどのような職種があるのかを知ることが大切です。キャリアは一直線ではなく、様々な職種を経験しながらステップアップしていくことも可能です。
未経験から挑戦しやすいポジション
いきなりサービスの根幹を開発する、というのは難しくても、ITプロジェクトに貢献できるポジションは存在します。これらの職種で実務経験を積み、IT業界の働き方や文化に慣れることが、その後の成長の大きな糧となります。
「未経験OK」の求人でよく見かける職種なので、ぜひチェックしてみてください。
テスター、QAエンジニア
開発されたシステムやソフトウェアにバグがないか、仕様通りに動くかなどを検証する仕事です。一つ一つ丁寧に確認していく根気強さや、ユーザー視点で物事を見る力が求められます。
プログラミングスキルは必須ではありませんが、ITシステムがどのように作られ、動いているかを知ることができます。開発チームと連携する機会も多いため、開発プロセス全体を学ぶ上で非常に良い経験になります。
サポートエンジニア
自社サービスや他社製品を利用している顧客からの問い合わせに対応したり、技術的な課題解決をサポートしたりする仕事です。エラー内容を正確に聞き取り、原因を切り分け、解決策を提示するコミュニケーション能力や論理的思考力が求められます。
顧客と直接やり取りすることで、サービスのどこに課題があるのか、ユーザーはどんなことに困っているのか、といったビジネス視点やユーザー視点が養われます。技術的な調査を通じて、システム理解も深まります。
将来性のあるキャリアパス
未経験からスタートしたとしても、そこで立ち止まる必要はありません。実務経験を積むことで、より専門性の高い分野や、幅広いスキルが求められるポジションへとステップアップしていくことが可能です。
自分の興味や市場の需要に合わせて、キャリアの方向性を定めていくことが重要です。
クラウドエンジニア、データエンジニア
クラウドやデータの分野は、今後も需要が拡大していくと予想されています。これらの分野は比較的新しいため、未経験から専門性を磨きやすい領域と言えます。
サポート業務や運用・保守の経験からクラウド環境の知識を深めたり、基礎的なプログラミングスキルからデータ処理のスキルを習得したりと、様々な入り口からこれらの専門職を目指すことができます。
フルスタックエンジニアへの道のり
Web開発のフロントエンドからバックエンド、インフラまで、システム全体を一人で見られる「フルスタックエンジニア」は、市場価値が非常に高いです。
最初は特定の分野からスタートし、経験を積みながら徐々に担当領域を広げていくことで、フルスタックを目指すことができます。幅広い知識と経験が必要になりますが、その分やりがいも大きく、多くの企業で求められる存在になれるでしょう。
ワンポイント解説
この記事では、未経験エンジニアが増加している背景として、DXの加速、リモートワークの普及、そして新技術の台頭を解説しています。企業が求める人材の変化、特に実践的なスキルやビジネス視点、コミュニケーション能力の重要性を指摘しており、検索意図に合致しています。未経験から活躍できる職種や「2025年の崖」といった具体的な機会にも触れており、読者は自身のキャリアプランを考える上で大いに参考になるでしょう。まずは、クラウドやAIなど、興味のある分野の学習を始めてみてはいかがでしょうか。